チャンスはいつまでも残っていない

「どうして、それをやらないの?」

 

 周囲が口を揃える指摘は、多分、正しい。

 それが目的地までの最短距離だと、本当は自分でもわかってる。

 でも、できない理由をいくつもいくつもいくつも上げて、その道を避ける。
 
 なぜか。

 会いたくない人(相手に落ち度はなく、自分が勝手に僻んだり、落ち込んだりするだけ)に会い、見たくない自分の「真の姿」に向きあわなきゃならない(失敗したらどうしよう)から。
 つまり「できない」んじゃなくて、「やりたくない」だけ。
 でも、できない理由を探してる時間がもったいない。何の得にもならないし、何も積み重ならない。誰も困らない。

 
 知ってる?
 髪の寝ぐせって、毛先だけちょいちょいって濡らしても直らないんだって。根元からがっつり濡らして、根元から乾かさなきゃダメなんだって。

 知ってる?
 ハゲネタで売れてるお笑い芸人のトレンディ・エンジェル。
 妙なプライドがあって、ハゲネタやるのがずーっと嫌だったんだって。でも、先輩から「なんでハゲネタをやらないんだ、もったいない!」って言われて、素直に「やってみよう」って気持ちになったんだって。それがブレイクのきっかけ。

 ダメだなー、上手くいかないなーってことは、根元が直ってない。自分をしっかり見つめ直していない。
 
 自分がどうしても避けたいこと、見たくないこと、いい加減に済ませていることを直視する……そこに扉を突破する鍵がある。
 そしてその鍵は、周囲の人が口を揃える指摘──

「どうして、それをやらないの?」

 
 やります。
 指摘してくれる人が、そばにいる間に。