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風邪を引いたぐらいじゃ、人は変わりません

 

 誰にだって「調子が悪い」ときはある。どれほど才能のある人でも、勝ち続けることはできない。
 でも「調子が悪い」ことが他のすべてを覆ってしまうと、些細なミスや、他人のちょっとした言葉にも「自分が悪い」と思いたくなる。あるいは、思い込んでしまう。

 もしかしたら、「調子が悪い」ことと闘うより、「本来の自分を見失わないようにする」ことのほうが難しいのかもしれない。
 
「調子が悪い」ときはそこから離れ、読者になって、客観的に「自分の人生」という名の物語を見つめる。そして「あ、このキャラクター(自分)、今、調子が悪いんだな」と認める。
 その上で、自分を信じる。「今は調子が悪いだけ。そのうち復調する」と言い聞かせる。
 それは真実。だから、理由なんか探さず、ただ信じればいい。
 そもそも「調子が悪い」ときに探し物なんてバカげてる。寝てるか、休むか、最低限のやるべきことを粛々とこなせばいい。

 勝ち続ける人はいない。でも、負け続ける人もいない。
 ゲームには波がある。好機は必ず、同じように、すべてのプレイヤーの上に訪れる。それを辛抱強く、待つしかない。
 我慢し切れずに下手に動いたり、試合を放棄してしまうと、せっかくのチャンスを掴み損ねる。

 それでもどうしようもなく辛いときは、その気持ちを誰かに聞いてもらう。
 話を聞いてくれた人は、きっと言うはず──「今は調子が悪いだけ。本来のあなたはちゃんとここにいる」と。
 応援する声は、きっとずっと続いている。焦って頭に血が昇り、冷静さを失い、聴こえなくなっているだけ。立ち止まって、深呼吸をして、耳を澄まそう。

 雨が降るのは、ほんの一時。その上には必ず太陽がある。なくなってしまうわけじゃない。